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國分 陽子
ISEE Newsletter, 9, P. 4, 2020/01
日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、地質環境の長期安定性に関する研究として地震や火山,隆起侵食,海水準変動等の自然現象の研究を行っている。この研究では、これら様々な自然現象について数万年から数百万年の評価が求められていることから、当研究所では、様々な自然現象の幅広い年代範囲を網羅するように、複数の年代測定技術の開発に取り組んでいる。これらの技術開発については、名古屋大学宇宙地球環境研究所との研究協力協定のもと、両者が有する加速器質量分析装置や電子プローブマイクロアナライザーに関する情報交換や技術供与を行うとともに、地球科学分野における共同研究も行っている。
石川 清*; 目崎 吉彦*; 鈴木 英雄*; 甲斐 昌宣*; 渡部 俶*; 藤盛 誠二*; 石川 潤一*
JNC TJ7420 99-016, 878 Pages, 1999/06
岐阜県瑞浪市明世町正馬様用地内において、超深地層研究所計画地点の地質環境を把握することを目的として孔長1,012mのMIU-2号孔が掘削された。本報告書は、地表から地下深部までの地質構造、地球物理学的・水理学的特性を把握するためMIU-2号孔で実施された調査の結果をまとめたものである。実施した主な調査項目は次の通りである。1.岩芯の採取・記載、2.岩芯室内試験、3.物理検層(一般検層項目、フローメータ検層、レーダー法シングルホール測定)4.ボアホールテレビ計測、5.水理試験(非定常透水試験(透水試験)、定常透水試験(揚水試験))これらの調査の結果、以下のことが明らかとなった。・MIU-2号の地質は、孔口から深度88.60mまでが砂岩、凝灰岩、シルト岩などからなる瑞浪層群、深度88.60m孔底までが土岐花崗岩類に属する中粒粗粒の黒雲母花崗岩からなる。土岐花崗岩は深度845.7m付近で岩質的に中粗粒の黒雲母花崗岩と優白質の黒雲花崗岩に大きく2つに分けられ、両者は化学組成上も相違が認められる。・深度223.8m付近に開口亀裂を伴う逸水箇所があり、掘削水はこの区間で全量逸水した。深度889.95915.25m間には月吉断層に相当すると考えられる断層破砕帯が存在する。この断層は、遮水帯を形成し、この断層を貫いた深度950m付近から被圧された湧水が発生した。フローメータ検層結果によると、地層水の流入は深度889m付近より認められるが、特に深度945m以深で多く、深度945984m間で全体流入量の80%近くを占めている。揚水試験時に測定した湧水箇所からの湧水量は16 1/min、圧力は1 .38kg/cm sup2であり、フローメータ検層で求められた22.21/ minの流入量とほぼ一致する。・深度119以深の20ヶ所で実施された透水試験結果によると、花崗岩における透水係数の最大値は深度220.90227.40m間の6.66E-06m/secであり、この区間は掘削中 の 透水帯と対応している。また、深度950m以深の湧水箇所に対応する深度932.50959.00m、960.30966.80m、976.70983.20m間の透水係数も、7.86E-073.66E-06m/secと大きな値を示した。その他の区間は、逸水箇所、湧水箇所の近傍を除けば6.60
Rai, D.*; Rao, L.*; Weger, H. T.*; Felmy, A. R.*; Choppin, G. R.*; 油井 三和
JNC TN8400 99-009, 115 Pages, 1999/01
本研究では、地層処分システム性能評価のための熱力学データベースJNC-TDB(旧PNC-TDB)整備の一環で、IV価のアクチニドTh(IV), U(IV), Np(IV)およびPu(IV)に関する熱力学データ整備を行った。本研究では、これらの元素に対して、水酸化物、塩化物、フッ化物、炭酸、硝酸、硫酸およびリン酸を含む錯体もしくは化合物に関する熱力学データ整備を行った。また、個別の元素に対して信頼できるデータがない場合、アクチニドIII価間での化学的類似性を考慮したデータ選定を行っている。本研究ではPitzerイオン相互作用モデルを用いて、25C、イオン強度0におけるこれらの錯体および化合物の熱力学定数を整備した。